綺麗だ。濁ったものはここにはない。なにもかも、消えてしまったから。美しい。空しかない。
『スカイ・クロラ』シリーズの短編集。
文庫とか新書とかあるけど、これは絶対ハードカバーの方がいい。雰囲気がある。
(新書の挿絵の鶴田謙二も好きだけど、一般的にはこっちの方が受けると思う)
鈴木成一デザイン室の装丁だそうですが、コピーの文章とか、そのフォントとかが、作品全体の冷涼でカラッとした感じによくあってる。
昔コバヤシ君に「小説とかって何読んでるって言ったら女の子に受けがいい?」って聞かれて
『…村上春樹とか…』
と無難に答えてしまいましたが、
(彼はリファレンス的なもの以外、本を読むという習慣がない)
このシリーズなら女性に見せても恥ずかしくない、美しい本棚が演出できると思います。
中身については「相変わらず」という感じです。
カラッと、クールで、何も無い。清涼だ。初夏に読むにはいい本ですね。
村上春樹って今でもすごく人気あるのね…(amzonで一位二位だった)
勝手に『ノルウェイの森』が売り上げとしてはピークだったんじゃないかと思い込んでいましたが。
(『アフターダーク』「や『神の子供たちはみな踊る』みたいな、社会派っぽい方向に行きだして、好き嫌いが別れるようになったんじゃないかなぁと思ってた。)
私個人としてはありきたりな意見ですが『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が最も好きです。
『海辺のカフカ」も『スプートニクの恋人』も『ねじまき鳥クロニクル』もあんまり面白いとは思いませんでした(でもちゃんと読んでる…)。
「異性受け」で考えると、男性が女性作家の本を読むのは、イメージ的にあんまり好まれない気がする。
私自身が女性作家の本そんなに好きじゃないというのもありますが、若い頃に江國香織と辻仁成の『冷静と情熱のあいだ』を読んでものすごい恋愛小説アレルギーになりました。
映画もびっくりするくらいヒドい。あきれる。
あれ男の人の本棚にあったら引くなぁ…
しかし翻訳小説ばっかりっていうのはちょっとハードボイルドすぎるだろ、それこそ村上春樹作品の主人公じゃあるまいし。
まあ海外モノでもジャンルによる。『ダヴィンチ・コード』系のはやりモノなのか、それとも何らかの特定ジャンルなのか。私自身は海外のSF(ハインラインとかその程度ですが…)が好きなので、そういうのがあったら嬉しいかもしれない。
怖いのは犯罪ものばっかりの本棚とかだな…『羊たちの沈黙』とかエド・ゲイン(有名な連続殺人鬼)に関する書籍とか『ハンニバル』のDVDとか並んでたらなにそれ怖い…
かといって「新本格ミステリ」(森博嗣もそうなんだけどさ…)とかばっかりだと「ひ●らしとか好きなタイプ…?」(すいません、ひ●らしあんまり詳しくないんだけど。なんか「俺は普通のオタクとは違う知的なオタクなんだぜ!」っていう主張を感じるので、たいていそういう人とはうまく行かない。)みたいな感じがする。
私の周囲に聞いたら、男女ともに『ルールズ』等の恋愛指南本や、うさんくさい自己啓発系は「正直引く」との声多数。
さらに新興宗教系(自己啓発の皮をかぶった宗教本は結構多い)は「ありえない」「その瞬間、付き合うという選択肢は消える」だそうです。確かに…
かくも本の嗜好というのは、人となりを表すものなのか。